
Cloudflare Workers vs AWS Lambda:料金と上限
Web の API や画面の配信は Cloudflare Workers、AWS のサービスと深くつながる処理や重い計算は AWS Lambda、が 2026 年 10 月時点の結論です。CPU 時間・メモリ・バンドルサイズの上限、公式単価から計算した月額、コールドスタートの仕組み、実行場所、DB の選択肢で比べます。
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Web の API や画面の配信は Cloudflare Workers、AWS のサービスと深くつながる処理や重い計算は AWS Lambda、が 2026 年 10 月時点の結論です。CPU 時間・メモリ・バンドルサイズの上限、公式単価から計算した月額、コールドスタートの仕組み、実行場所、DB の選択肢で比べます。
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Cloudflare Workers と AWS Lambda のどちらを選ぶかは、Web の API・画面の配信・軽い処理なら Cloudflare Workers、AWS のデータベースやキューと深くつながる処理・重い計算・長い処理なら AWS Lambda と決めてしまって構いません。Workers は世界中の拠点で V8 isolate として動き、コールドスタートがほぼ無く、HTTP の入口と転送量が料金に含まれます。Lambda はメモリを最大 10 GB まで積め、1 回 15 分まで動き、DynamoDB や SQS などとイベントでつながります。この記事では、2026 年 10 月時点の上限(CPU 時間・メモリ・バンドルサイズ)、公式の単価から計算した月額、コールドスタートの仕組み、実行場所、DB の選択肢を並べて比較し、用途別の選び方を示します。
一言でいうと、**Workers は「世界中に配られる軽い関数」、Lambda は「1 つのリージョンで AWS のサービスとつながる関数」**です。どちらもサーバーを管理しないサーバーレスですが、前提の設計がまったく違います。
| 観点 | Cloudflare Workers | AWS Lambda |
|---|---|---|
| 実行の単位 | V8 isolate(1 つのランタイムの中に多数)1 | 実行環境(Firecracker microVM)2 |
| 実行場所 | Cloudflare のネットワーク全体。348 都市(2026 年 10 月時点) | 選んだ 1 つの AWS リージョン |
| 主な言語 | JavaScript / TypeScript、Python、WebAssembly(Rust など) | Node.js・Python・Java・.NET・Ruby、OS-only ランタイムで Go・Rust など |
| 課金の軸 | リクエスト数+CPU 時間(待ち時間は無料)3 | リクエスト数+実行時間 × メモリ(GB 秒)4 |
| HTTP の入口 | 最初から付いている(追加料金なし) | API Gateway・関数 URL・ALB などを組み合わせる |
| 得意なこと | 低い遅延の API、認証やリダイレクト、SSR、AI の推論の前処理 | DynamoDB・S3・SQS などのイベント処理、重い計算、長いバッチ |
理由は、Workers の制限が 2026 年に入ってさらに緩み、「Lambda でないと無理」だった場面が減ったからです。Cloudflare は 2026 年 9 月 4 日に、Workers の圧縮後サイズの上限(無料 3 MB・有料 10 MB)を廃止し、圧縮前の 64 MiB だけを見る形に変えました5。大きめのライブラリを含む API や SSR のアプリも、Workers に載せやすくなっています。
検索の関心も Workers の方が伸びています。Google トレンド(日本・過去 90 日、2026-10-05 取得)の相対値を同じ回で比べると、「Cloudflare Workers」は直近 4 週の平均が 2.0(その前の 8 週の平均は 0.8)、「AWS Lambda」は 2.3(同 1.9)でした。どちらも値は小さい語です6。
| 語 | 前 8 週の平均 | 直近 4 週の平均 |
|---|---|---|
| Cloudflare Workers | 0.8 | 2 |
| AWS Lambda | 1.9 | 2.3 |
絶対量では Lambda の方がまだ多く検索されていますが、伸び方は Workers が上です。どちらか一方に寄せるのではなく、役割で分ける判断が必要になっています。
上限は、**Workers は「1 リクエストあたりの CPU 時間とメモリが小さい」、Lambda は「1 回の実行の長さとメモリが大きい」**と覚えておけば外しません。
| 上限(2026 年 10 月時点) | Cloudflare Workers(無料) | Cloudflare Workers(有料) | AWS Lambda |
|---|---|---|---|
| CPU 時間 / 実行時間 | CPU 10 ms / リクエスト7 | CPU 既定 30 秒、最大 5 分 / リクエスト7 | 実行時間 最大 15 分(900 秒)8 |
| 待ち時間(I/O) | HTTP リクエストは上限なし7 | HTTP リクエストは上限なし7 | 実行時間に含まれる |
| メモリ | 128 MB / isolate7 | 128 MB / isolate7 | 128 MB〜10,240 MB8 |
| CPU の量 | 固定 | 固定 | メモリに比例。1,769 MB で 1 vCPU 相当8 |
| コードのサイズ | 64 MiB(圧縮前)75 | 64 MiB(圧縮前)75 | zip 50 MB(直接アップロード)・展開後 250 MB、コンテナイメージ 10 GB8 |
| 起動時間 | 1 秒7 | 1 秒7 | Init フェーズ 10 秒2 |
| リクエスト数 | 10 万 / 日7 | 上限なし7 | 同時実行 既定 1,000(引き上げ可)8 |
| 外部への呼び出し | 50 / リクエスト7 | 既定 10,000 / リクエスト7 | 制限なし |
一番の違いは「CPU 時間」と「実行時間」の数え方です。Workers の有料プランは CPU を使っている時間だけを数え、外部 API や DB の応答を待っている時間は数えません3。Lambda は関数が動いている間の経過時間をすべて数えます4。外部の LLM の応答を 20 秒待つような処理は、Workers では CPU 時間がほとんどかからず、Lambda では 20 秒分の料金がかかります。
逆に、画像の変換や大きなファイルの圧縮のように CPU とメモリを大量に使う処理は Workers に向きません。128 MB のメモリでは足りない場面が多く、Lambda なら 10 GB まで積めます。さらに重い処理は、Lambda Managed Instances(最大 32 GB・16 vCPU)も選べます(Lambda Managed Instances とは)。
2026 年 9 月 4 日の変更で、Wrangler がアップロード前に圧縮したサイズのチェック(無料 3 MB・有料 10 MB)が無くなり、圧縮前のバンドルサイズ 64 MiB だけが上限になりました。無料プランでも有料プランでも同じです5。バンドルのサイズは、デプロイせずに次のコマンドで確かめられます。表示される Total Upload が圧縮前のサイズです5。
npx wrangler deploy --outdir bundled/ --dry-run
料金は、月 5,000 万リクエストくらいまでは Lambda 単体の方が安く、それより多いと Workers の方が安くなる、というのが下の前提での計算結果です。ただし Lambda を HTTP API として公開するには API Gateway などの入口が要り、それを足すと全域で Workers の方が安くなります。
| サービス | 単価 |
|---|---|
| Workers 有料(Standard) | 月 5 ドル。月 1,000 万リクエストと 3,000 万 CPU ミリ秒まで込み。超えた分は 100 万リクエストあたり 0.30 ドル、100 万 CPU ミリ秒あたり 0.02 ドル。実行時間と転送量(egress)は無料3 |
| Lambda(Arm、東京) | 100 万リクエストあたり 0.20 ドル、1 GB 秒あたり 0.0000133334 ドル。毎月 100 万リクエストと 40 万 GB 秒の無料枠4 |
| API Gateway HTTP API(東京) | 最初の 3 億リクエストまで 100 万リクエストあたり 1.29 ドル(公式料金。12 か月の無料枠は計算に入れない) |
この式を Python で計算した結果です。

| 月間リクエスト | Workers(ドル) | Lambda(ドル) | Lambda+HTTP API(ドル) |
|---|---|---|---|
| 100 万 | 5 | 0 | 1.29 |
| 1,000 万 | 5.4 | 1.8 | 14.7 |
| 5,000 万 | 21.4 | 21.13 | 85.63 |
| 1 億 | 41.4 | 47.8 | 176.8 |
| 3 億 | 121.4 | 154.47 | 541.47 |
| 月間リクエスト | Workers | Lambda | Lambda+HTTP API |
|---|---|---|---|
| 100 万 | 5.00 ドル | 0.00 ドル | 1.29 ドル |
| 1,000 万 | 5.40 ドル | 1.80 ドル | 14.70 ドル |
| 5,000 万 | 21.40 ドル | 21.13 ドル | 85.63 ドル |
| 1 億 | 41.40 ドル | 47.80 ドル | 176.80 ドル |
| 3 億 | 121.40 ドル | 154.47 ドル | 541.47 ドル |
2025 年 8 月 1 日から、Lambda はマネージドランタイムの zip の関数でも初期化(Init)フェーズの時間を課金するようになりました(AWS Compute Blog)。コールドスタートが多い関数では、上の計算より少し高くなります。
コールドスタートは、Workers ではほぼ気にしなくてよく、Lambda では設計で付き合うものです。理由は、コードを動かす単位の重さが違うからです。

Workers は、1 つのランタイムのプロセスの中で数百〜数千の V8 isolate を切り替えながら動かします。Cloudflare のドキュメントによると、isolate はコンテナや VM 上の Node のプロセスより約 100 倍速く起動し、起動時のメモリも 1 桁少なく済みます1。さらに Cloudflare は 2025 年 9 月 26 日のブログで、すでに Worker が読み込まれているサーバーにリクエストを回す「Worker sharding」により、コールドスタートを 10 分の 1 に減らし、エンタープライズのトラフィックで温かい状態で処理する割合を 99.9% から 99.99% に上げたと説明しています9。
注意点は、起動時のグローバルな処理に 1 秒の上限があることです7。大きなライブラリの初期化をトップレベルで行うと、デプロイ時に弾かれることがあります。
Lambda は、空いている実行環境が無いと、コードのダウンロード、実行環境の起動、ハンドラの外にある初期化コードの実行を行ってから処理します。AWS のドキュメントによると、コールドスタートは呼び出しの 1% 未満で起き、長さは 100 ms 未満から 1 秒超までの幅があります2。開発やテスト用の、呼ばれる回数が少ない関数ほど起きやすいとされています2。
減らす方法は 3 つあります。
Go や Rust で書いた Lambda は、ランタイムの起動が軽いので、コールドスタートが比較的短く済みます。Go の Lambda の作り方は AWS Lambda で Go の API サーバーを作る を参考にしてください。
Workers はユーザーの近くで動き、Lambda はデータの近くで動く、と考えると選びやすくなります。
Workers は Cloudflare のネットワーク全体に配られ、リクエストを受けたデータセンターで動きます1。日本のユーザーには日本の拠点で、ヨーロッパのユーザーにはヨーロッパの拠点で応答できるので、認証の確認、リダイレクト、A/B テストの振り分け、キャッシュの制御のように「DB に行かずに返せる処理」は Workers が圧倒的に速くなります。
ただし、毎回 1 か所の DB に問い合わせる処理では、エッジで動く利点が消えます。東京の DB に対してロンドンの Workers から問い合わせると、往復の遅延が毎回かかるからです。Workers にはこれを避けるために、DB の近くで処理を動かす「Smart Placement」という仕組みがあります。
Lambda は、選んだリージョンの中で、同じリージョンの DynamoDB や RDS の近くで動きます。ユーザーまでの距離は遠くなることがありますが、DB との往復は短く、VPC の中のリソースにも安全につなげます。
DB は、Workers は Cloudflare のストレージを使うか Hyperdrive で既存の DB につなぎ、Lambda は AWS の DB を IAM で直接使うのが基本です。
| 用途 | Cloudflare Workers | AWS Lambda |
|---|---|---|
| リレーショナル DB | D1(SQLite ベース)。ユーザー情報・商品・注文など10 | Amazon RDS・Aurora(RDS Proxy で接続を束ねる)、Aurora DSQL |
| 既存の Postgres / MySQL | Hyperdrive で接続を速くする10 | VPC 内から直接つなぐ |
| キーバリュー | Workers KV(設定、ルーティング情報、A/B テストなど読み込みが多いもの)10 | DynamoDB |
| 強い一貫性・リアルタイムの調整 | Durable Objects(共同編集、クライアント間の調整)10 | DynamoDB の条件付き書き込み、ElastiCache など |
| オブジェクトストレージ | R2(転送量の料金なし) | S3 |
| キュー | Queues10 | SQS(Lambda から ESM で受ける) |
| ベクトル検索 | Vectorize10 | OpenSearch、S3 Vectors など |
Workers の DB の料金は、Workers の料金ページにまとまっています。たとえば D1 は月 250 億行の読み取りと 5,000 万行の書き込み、5 GB のストレージまでが有料プランに含まれます3。Workers で REST API を作る具体的な手順は Hono+D1 の REST API を Claude Code で作る にあります。
すでに AWS に大きなデータがあるなら、Lambda を選ぶ理由として十分です。IAM でアクセスを絞れ、VPC の外に出さずに済み、DynamoDB Streams や S3 のイベントで処理を起動できるからです。
迷ったら次の表で決めてください。判断の軸は「データがどこにあるか」「1 回の処理がどれだけ重いか」「入口が HTTP か、イベントか」の 3 つです。
| やりたいこと | 選ぶもの | 理由 |
|---|---|---|
| 新規の Web API・BFF・SSR | Cloudflare Workers | 入口込みで安く、世界中で速い。D1・KV・R2 がそろう |
| 認証・リダイレクト・ヘッダーの書き換え | Cloudflare Workers | エッジで DB に行かずに返せる |
| LLM の API を呼んで返すだけの処理 | Cloudflare Workers | 待ち時間が課金されない |
| S3 へのアップロードで動く画像の変換 | AWS Lambda | S3 のイベントで起動でき、メモリを積める |
| SQS・DynamoDB Streams・Kinesis の処理 | AWS Lambda | ESM でそのまま受けられる |
| VPC の中の RDS を使う業務システム | AWS Lambda | 同じリージョン・VPC で動ける |
| 15 分近い・それ以上のバッチ | AWS Lambda(Managed Instances)か ECS | Workers の HTTP は CPU 5 分まで。Lambda Managed Instances なら非同期で 90 分 |
| アクセスがほとんど無い社内ツール | どちらでも(無料枠で比べる) | Lambda の無料枠か、Workers の無料プランで足りる |
組み合わせる構成も現実的です。たとえば、入口の API と画面は Workers で受け、重い処理だけを AWS の SQS に投げて Lambda で処理する、という分け方です。
処理の内容と量で変わります。CPU 5 ms・Lambda は Arm 512 MB で 50 ms という前提で公式単価から計算すると、月 5,000 万リクエストまでは Lambda 単体の方が安く、1 億リクエストでは Workers の方が安くなりました。Lambda を API Gateway の HTTP API で公開する場合は、その料金を足すと全域で Workers の方が安くなります34。
2026 年 10 月時点で、無料プランは 1 リクエストあたり 10 ms、有料プランは既定 30 秒・最大 5 分です7。数えるのは CPU を使っている時間だけで、外部の API や DB の応答を待つ時間は含みません。Cron Triggers や Queues のコンシューマーは 15 分まで動けます7。
圧縮前で 64 MiB までです。2026 年 9 月 4 日に、それまでの圧縮後の上限(無料 3 MB・有料 10 MB)が廃止され、無料・有料とも 64 MiB に統一されました5。npx wrangler deploy --outdir bundled/ で表示される Total Upload で確かめられます5。
AWS のドキュメントでは、呼び出しの 1% 未満で、長さは 100 ms 未満から 1 秒超までとされています2。呼ばれる回数が少ない関数ほど起きやすく、Provisioned Concurrency や SnapStart で減らせます2。
使えます。DynamoDB は AWS の API を HTTPS で呼べば使え、Postgres や MySQL は Hyperdrive を使うと接続を速くできます10。ただし毎回遠くの DB に問い合わせると、エッジで動く利点が薄れます。AWS のデータを中心に使う処理は Lambda に置く方が素直です。
How Workers works — Cloudflare Workers docs(2026-10-05 参照) ↩ ↩2 ↩3
Understanding the Lambda execution environment lifecycle — AWS Lambda Developer Guide(2026-10-05 参照) ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9
Pricing · Cloudflare Workers docs — Cloudflare(2026-10-05 参照) ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5
AWS Lambda 料金 — Amazon Web Services(2026-10-05 参照) ↩ ↩2 ↩3 ↩4
Deploy larger Workers — up to 64 MiB for both free and paid plans — Cloudflare Changelog, 2026-09-04(2026-10-05 参照) ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7
Google トレンド「Cloudflare Workers」「AWS Lambda」(日本・過去 90 日) — Google, 2026-10-05 取得の相対値を筆者集計(2026-10-05 参照) ↩
Limits · Cloudflare Workers docs — Cloudflare(2026-10-05 参照) ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9 ↩10 ↩11 ↩12 ↩13 ↩14 ↩15 ↩16 ↩17
Lambda quotas — AWS Lambda Developer Guide(2026-10-05 参照) ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5
Eliminating Cold Starts 2: shard and conquer — The Cloudflare Blog, 2025-09-26(2026-10-05 参照) ↩
Choosing a data or storage product — Cloudflare Workers docs(2026-10-05 参照) ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7